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■疥癬とくすり

1.疥癬とは

ヒゼンダニという小さなダニが人の皮膚に寄生することによって起こる皮膚病で、激しいかゆみを伴います。病院や高齢者施設などで集団感染することがあり、近年問題となっています。

ヒゼンダニは体長0.2〜0.4mm、幼虫や成虫の雄は体表面で活動していますが、成虫の雌は皮下にトンネルをつくり、卵を産み続けます。卵は3〜4日でふ化し、脱皮を繰り返し、10日ほどで成虫になります。

ヒゼンダニは人の皮膚を離れると長くは生きられないので、通常、感染の拡大は肌と肌の直接接触か、使用した直後の寝具や衣類からの感染に限られます。性感染、家族内感染のほか、保育所や合宿所などでも感染がおこることがあります。免疫力の落ちた人が感染すると、角化型疥癬という重症型となります。通常の疥癬ではダニの数が1000以下ですが、角化型疥癬では100万〜200万にも達します。

皮膚は角質化してカキの殻の様になり、剥がれ落ちた皮膚には多数のダニがいて、感染力がとても強くなります。湿疹や皮膚炎との見分けが難しいので、ステロイド剤を塗ってしまい、重症化することもあります。

2.疥癬の治療薬

病原体がダニなので、一般の抗菌薬や消毒薬は効果がありません。市販されている治療薬はクロタミトン、イオウの沐浴剤およびイベルメクチンのみです。それ以外の治療薬はすべて試薬などを原料として病院で調製しています。外用剤は皮疹部のみではなく、くびから下全体にむらなく塗らないと効果がありません。

また家族内感染では、同時に治療することが重要です。

  • イオウ剤(ムトウハップ:入浴剤):沐浴剤として使用。
  • クロタミトン(オイラックス:軟膏):10〜14日連続で塗布。
  • 安息香酸ベンジル(ローション):塗布後24時間で洗い流し、2〜3間繰り返し4〜5日休薬。
  • γ-BHC(軟膏):効果は大きいが、毒性が強い。約1週間後に再塗布。
  • ペルメトリン(軟膏):効果は大きく、毒性は低いが、かぶれやすい。
  • イベルメクチン(ストロメクトール;錠剤):唯一の内服薬、現在、疥癬の適応は無く、適応を追加申請中。治療効果は高い。

大和市立病院  薬剤部
山田 英紀


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最終更新 2009年 3月 23日(月曜日) 11:18
 

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